【特別インタビュー】
営業職の女性インタビュー③

【特別インタビュー】<br> 営業職の女性インタビュー③

現役・女性営業に聞く!就活生が抱く医療機器業界のイメージと現実のギャップ

全3回にわたってお届けする、医療機器業界で営業として働く女性のインタビュー記事。
初回は、医療機器の営業における「やりがい」について、前回は働く女性の大きなテーマである「仕事と家庭の両立」について、お二人にお話を聞きました。

そして最終回のテーマは、「学生が持つ医療機器業界のイメージと現実とのギャップ」についてです。
学生を対象にしたアンケートを基に、イメージと現実はどのくらい違うのか、詳しく伺いました。

 

【今回お話を聞いた人】

 

左:医療機器メーカー 消化器系製品 営業  

下田 悠さん

右:医療機器メーカー 循環器系製品 営業 シニアアカウントマネージャー

田中 美幸さん

学生さんが思う「医療機器業界のイメージ」と現実は違う?業界のポジティブな面が伝わっていないのが課題

▲医療機器センターが医療機器業界に興味を持っている大学生や大学院生205名を対象におこなったアンケート

――学生さんのアンケートを見てみると「敷居が高そう」「専門知識が要りそう」と感じているのがわかります。このアンケートを見て、お二人はどのように感じますか?

田中さん「“医療機器”という言葉が、少し重たいというか、ハードそうなイメージに繋がるのだろうなと思いました。言葉の響きとしてライトではないですし、学生さんから見て敷居が高そうって感じるのは、ある程度仕方ないのかもしれません。

 

下田さん「どちらかというと男性的なイメージがありますよね。しかも医療なのでどうしても敷居が高そうに見える。特に若い方は病院に行く機会も多いわけではないので、実態をイメージしにくくて、堅いイメージが先行してしまうのかもしれません。」

 

――「専門知識が要りそう」と思っている学生さんが多い様子なのですが、実際はどうでしょうか?

田中さん「医療知識が必要なイメージがあるのはわかります。でも実際は違っていて、例えば私は法学部の出身なので、入社まで医療の知識はまったくありませんでした。同期は10人いましたが、医療工学部出身は1人だけで、後はバラバラです。入社後に先輩方からのご指導と現場で教育を受けながら一人前になっていくというのが基本的な流れなんです。

 

下田さん「私も臨床心理学部出身なので、医療機器に関する知識は入社までまったくありませんでした。専門知識が必要なのは間違いではないのですが、入ってから勉強する方がほとんどです。医療という言葉の印象が強いので余計にそう感じるのだとは思いますが、他の業界でもそれはきっと同じですよね。

 

田中さんもちろん簡単な仕事ではないので勉強や訓練が必要ですが、営業のほとんどは私たちのように業界に対して何の知識も持っていなかった方々です。

 

就活のサイトなどに、どういう学部出身の方が、どういう教育プロセスを経て営業になっていったのかとかは調べたら出てきます。少しでも気になる方はそういうものに目を通して、一人立ちしていくプロセスを確認すると良いかもしれません。

 

下田さん私は元々医療機器業界に入るつもりはなくて、人材業界にいきたいと思っていたんです。でも、働き方とか評価制度などが魅力的だなと思って、この世界に入りました。なので、他の業界とフラットに比較してみるのもよいと思います。」

 

やりがいと充実感を感じられる医療機器業界の営業の仕事

――アンケートを見ると、忙しそうというイメージを持っている学生も多いようです。実際の業務量はどうなのでしょうか?

田中さん「業務量でいうと、暇な仕事とはいえませんね(笑)。覚えることが多いのはもちろん、お客様がドクターですので、アポを取っていても時間が予定通りになるとは限りません。当たり前ですが、ドクターにとっては、私たちより急患の優先度のほうが高いので。でも忙しさと比例して充実感を強く感じられる仕事なので、もっとポジティブな面を発信していきたいと思っています。

 

下田さん「私は学生さんと話しをするときは、大変だけど、大変な分やりがいを持って働けるという伝え方をしています。手術の立ち会いがあるというお話がありましたが、患者様の命を救ったり健康を取り戻すお手伝いをしたりする仕事に携われる職種は、そう多くはありません。

 

体感したことがないとイメージしにくいとは思うのですが、忙しさや大変さがある分、他では味わえないようなやりがいを感じられる仕事でもあるんです。

 

田中さん「ただ売るだけでなく、ドクターからフィードバックをもらって、医療機器の改良に携われる仕事でもあります。ドクターから意見をもらう➔会社にフィードバックする➔改良を加えた機器をドクターに提案する、という良いサイクルを経験できる点も魅力です。

 

しかもそれが人の命を救うことに繋がるので、仕事をしている意味とか自分の役割の価値を強く認識できるのは間違いありません。忙しさはどうしてもついてまわりますが、やりがいを持って仕事をしたいと考えている学生さんがいれば、ぜひ挑戦してほしいですね。

 

「女性の働きやすさ向上」のために。変化しつつある医療機器業界

――女性の働きやすさという点ではどうでしょうか?アンケートでは「女性が活躍してそう」への返答に「そう思う」と答えたのが9.8%で、とても少ない印象です。これは女性の働きやすさも影響しているのではないかと思いますがいかがですか。

田中さん「業界全体を見ると男性の方が多く、女性にとっては続けにくい環境だったのは否めません。しかし、以前よりは業界全体が『女性が働きやすい環境にしなければ』という意識が強まっているのも事実です。

 

私も周りのサポートを受けながら結婚・育児とライフステージが変わってもなんとか働き続けることができましたし、そういう女性はどんどん増えています。

 

下田さん「先ほど充実感を味わえる仕事であるというお話をしましたが、社員一人ひとりがやりがいを持って働かれていて、素敵な方ばかりなんです。人の命に携わる仕事だからこそ、業務を続ける中で誇りや自信というものが芽生えてきて、自然と自分が磨かれていくのかもしれません。

 

同じ医療機器営業の女性たちと情報共有を目的に集まる機会があるのですが、周りを見ていつもそれを感じています。男性だけでなく女性がキラキラと輝きながら仕事をしている業界であることを伝えたいですね。」

 

 

田中さん「私のような、すでに仕事と家庭の両立を経験している世代が、下の世代の女性に経験を共有するというような取り組みを進めています。実際に下田さんのような若い世代の方から仕事と家庭を両立したいという声はよく聞きますし、業界としてもそれをサポートできる環境を作っている最中です。

 

だから、現在就職活動中の方々が結婚や出産といったライフステージを迎える頃には今よりも状況は改善されていると思いますし、一緒になって『女性がより働きやすい環境を作るには何が必要なのか?』を考えていきたいですね。

 

医療機器メーカーが求めるのは「負けず嫌いで好奇心旺盛な学生」

――ありがとうございます。それでは最後に医療機器業界はどんな方におすすめか、それぞれのご意見をお願いします。

下田さん「目の前の目標を追いかけるのを楽しめる方には合ったお仕事だと思います。常に何かを追いかけ続けたいというような、負けず嫌いな方に挑戦してほしいと思っています。」

 

田中さん「医療機器業界は、日々、治療法も機器もバージョンアップしていきます。そんな移り変わりがある中で、常に新しい情報をインプットする能力を求められます。新しい情報を取り入れることを楽しめる方、知的好奇心が旺盛な方にはぴったりな業界だと思います。」

 

専門知識の必要性や多忙な業務など、一筋縄ではいかないイメージがある医療機器業界。そのイメージは大きく間違いではないものの、それを凌ぐ充実感ややりがいを感じられるというのがお二人の共通意見でした。

 

 

全3回にわたってお届けしたインタビュー記事。いかがでしたか?
医療機器業界で女性が活躍しているイメージがないと思っていた方は驚かれたのではないでしょうか?人の命に携わる仕事ですので、忙しさや責任の重さなどの大変な部分がある一方、お二人はそれ以上のやりがいや成長する喜びを感じながら仕事を楽しんでいます。

もし皆さんの中で医療機器業界に興味を持たれた方がおりましたら、進路先の一つとして検討してみてはいかがでしょうか?

 

協力:米国医療機器・IVD工業会(AMDD

 

 

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