スタートアップ企業が取り組む、AIを活用した医療機器! ー カルディオインテリジェンス 長時間心電図解析を支援するAI医療機器編 ー

スタートアップ企業が取り組む、AIを活用した医療機器! ー カルディオインテリジェンス 長時間心電図解析を支援するAI医療機器編 ー

こんにちは、医機なび事務局です!

 

 

AI医療機器協議会さんとのタイアップ記事、そして『スタートアップ企業が取り組むAIを活用した医療機器!』の紹介シリーズ第2弾。

 

今回は株式会社カルディオインテリジェンスの企業概要と取り扱うAI医療機器についてご紹介をいただきましたので、ぜひご覧いただければと思います。

 

はじめに

前回の記事では、内視鏡の画像診断支援人工知能(AI)を開発する「株式会社AIメディカルサービス」をご紹介しました。

 

二社目は長時間心電図解析を支援するAI医療機器を開発・製造・販売している「株式会社カルディオインテリジェンス」(以下、カルディオンインテリジェンス)をご紹介します。

 

カルディオインテリジェンスってどんな会社?

カルディオインテリジェンスは、2019年創業の東京都港区東麻布にオフィスを構えるヘルステックベンチャーです。

 

国際医療福祉大学医学部 循環器内科学 教授の田村雄一(代表取締役社長CEO)と、京都大学大学院博士(理学)でAI専門家の高田智広(CTO)がタッグを組み、専門的な心電図解析をAIが支援することで、長時間心電図検査にかかる医療従事者の業務負担軽減や、脳梗塞(※1)予防に重要な心房細動(※2)の早期発見を目指して起業しました。

 

※1脳梗塞

脳の血管が詰まったり、細くなったりして血流が途絶え、十分な酸素やエネルギーが供給されず脳細胞が壊死してしまう病気

 

※2心房細動

心房と呼ばれる心臓内の部屋が小刻みに震えて痙攣し、うまくはたらかなくなってしまう心臓の病気(不整脈の一種)

 

 

心臓病診療を受けられない患者さんを世界からなくす』のミッションの下、スタッフが一丸となって日々製品開発に取り組んでいます。

 

不整脈診断に必要な長時間心電図検査

みなさんも健康診断などで、心電図検査を受けられたことがあると思います。

 

心電図は100年以上の歴史がある古典的な検査ですが、現代においても欠かすことのできない重要な検査であり、あの心電図波形には不整脈診断に必要なさまざまな情報が含まれています。

 

 

不整脈とは、脈の打ち方が正常とは異なることを意味し、この中には速い脈(頻脈)や遅い脈(徐脈)があります。

 

不整脈の中でも心房細動を起こすと、血のかたまり(血栓)を形成しやすく、その血栓が脳の血管に運ばれて詰まると、脳梗塞を起こしてしまいます。

 

 

この心房細動の発見には、通常の短時間の心電図検査よりも、24時間以上の長時間の心電図検査が有効になります。

 

長時間心電図検査を実施して心房細動を早期発見することで脳梗塞予防につながりますが、1日10万拍もの波形を人の目で確認して診断をつけていくのは、膨大な時間と労力が必要になります。

 

また、専門性の高い心電図検査を行う医師や臨床検査技師が不足していることから、発見に至っていない潜在患者が多くいるという課題があります。

 

長時間心電図検査における課題を解決するAI医療機器『SmartRobin® AI シリーズ』

カルディオインテリジェンスが開発・製造・販売している『長時間心電図解析ソフトウェア SmartRobin AI シリーズ』(以下、SmartRobin)は、心電図を「簡単・素早く・高精度」に解析するAI医療機器です。

 

通常、人の目で24時間分の波形を解析する場合、数時間を要すると言われています。

 

一方SmartRobinを活用すると、わずか2、3分で自動解析が終了し、かつ95%以上の精度で心房細動を検出することができます。

(製品についてはこちら:https://smartrobin.info/

 

※販売名:長時間心電図解析ソフトウェア SmartRobin AI シリーズ

 一般的名称:ホルタ解析装置用プログラム

 医療機器認証番号:302AHBZX00026Z00

 

 

前回の記事でも紹介しましたが、高精度なAIを開発するには、良質で膨大な学習データが必要不可欠です。

 

SmartRobinでは、専門医がアノテーションを行った1億心拍にも及ぶ心電図データを用いて機械学習を行い、製品に実装しています。

 

また、医療現場で役立つAI医療機器として重要なことは、AIがなぜ心房細動と判断したのか、その根拠を使用する医師をはじめとした医療従事者にきちんと提示することです。

 

SmartRobinは、着目するべき場所を識別表示する”説明するAI”機能を搭載しており、医療従事者の解析・診断を強力に支援しています。

 

(実際のSmartRobinの画面)

 

おわりに

いかがでしたでしょうか?

 

AI医療機器が目覚ましい発展を遂げる一方、実際に医療現場に導入されるまでには多くのハードルがあります。

 

 

例えば、医療従事者の中には、「AIが医療現場のすべての業務に取って代わるのではないか?」と認識している方がいるかもしれません。

 

しかし、AIは人間が行うすべてのことを完璧に行うことはまだ不可能です。

 

企業は、このことを医療従事者にきちんと説明し、医療現場にとって最適なAI医療機器の活用を提案しなければならないというハードルがあります。

 

その他にも、研究開発における人的リソースやコスト、プログラム医療機器としての承認審査など、超えるべきハードルは沢山あります。

 

 

カルディオインテリジェンスは、これらのハードルをすべて乗り越え、すでに医療現場に届いているAI医療機器を開発しているヘルステックベンチャーです。

 

SmartRobinは2022年4月に販売を開始し、すでに多くの医療機関に導入され、医療現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)に貢献しています。

 

今後は国内にとどまらず、世界中の心房細動の早期発見を目指して、研究開発に取り組んで参ります。

 

 

カルディオインテリジェンスでは随時、採用活動を行っております。

 

これを機にみなさんがカルディオインテリジェンスや心電図AIに興味を持っていただけたら幸いです。

 

 

次回の記事では、眼科向け医療機器プログラム(AI医療機器)を開発する自治医科大学発ベンチャー第1号企業「DeepEyeVision株式会社」の取り組みをご紹介します。

 

 

株式会社カルディオインテリジェンスHP

 https://www.cardio-i.com/

 

※こちらの記事は『AI医療機器協議会』協賛の記事です。

 もっとAI医療機器協議会について知りたい!という方はこちらをご覧ください。

 https://aimd.jp/

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