スタートアップ企業が取り組む、AIを活用した医療機器! - DeepEyeVision 眼底画像による診断支援を行うAI医療機器編 -

スタートアップ企業が取り組む、AIを活用した医療機器! - DeepEyeVision 眼底画像による診断支援を行うAI医療機器編 -

こんにちは、医機なび事務局です!

 

 

AI医療機器協議会さんとのタイアップ記事、そして、『スタートアップ企業が取り組むAIを活用した医療機器!』の紹介シリーズ第3弾。

 

今回はDeepEyeVision株式会社の企業概要と取り扱うAI医療機器についてご紹介をいただきましたので、ぜひご覧いただければと思います。

 

はじめに

前回の記事では、長時間心電図解析を支援するAI医療機器を開発・製造・販売している「株式会社カルディオインテリジェンス」をご紹介しました。

 

三社目は眼底画像による診断を支援するAI医療機器を開発・製造販売している「DeepEyeVision株式会社」(以下、DeepEyeVision)をご紹介します。

 

DeepEyeVisionってどんな会社?

DeepEyeVisionは、AI(ディープラーニング)を用いた眼科向け医療機器プログラム(AI医療機器)を開発する、自治医科大学発ベンチャー第1号企業です。

 

2016年に、自治医科大学 眼科学講座 准教授の髙橋秀徳(医学博士、同社代表取締役CEO)が、高齢化の進展に伴い今後増加すると想定される眼科患者に、AIを用いて正確な診断支援サービスを提供することを目的に創業しました。

 

AIで失明を一人でも減らしていく』、『AIで目からはじまる健康を支援する』という使命のもと、第一線で活躍する医師やAIエンジニアが集まり、最先端のAI医療機器の研究開発、製品開発に取り組んでいます。

 

眼底検査でわかること

健康診断などで、一口に目の検査と言っても、実は様々な種類があることを意識している方は少ないかと思います。

 

視力検査や眼圧検査などと並んで、極めて重要なものが、眼底カメラという装置を使った「眼底検査」と呼ばれるもの。

 

この検査は、目が透明な臓器である特性をいかし、目の裏側――「眼底」にある、全身とつながった神経や血管を直接撮影し、糖尿病や高血圧といった全身疾患のほか、日本における失明原因第一位である緑内障や、加齢黄斑変性などの早期発見につなげることを目的としています。

 

これらの疾患は年齢が上がるほど発症率が高まる傾向にあるため、中年以上の方は定期的に眼底検査を受けることが推奨されています。

 

眼底検査の課題

ご存じのように日本においては急速な高齢化が進んでいるため、今後、前述のような目の疾患に悩まされる患者さんが増えることが予想されています。

 

しかしながら、現在、日本においては全国的に眼科専門医が不足していることから、眼科は常時、非常に混み合い、なかなか治療が進められない患者さんがいます。その一方で、山間部や離島などのへき地においては、高齢者が多いにも関わらず眼科専門医がいないために失明に至る事例があるなど、事態は極めて深刻です。

 

とりわけ、後者のへき地における課題は、医療に恵まれない地域医療の進展を目的に設立された自治医科大学から出発した同社として、真正面から取り組まなければならない課題です。

 

DeepEyeVisionの2つのアプローチ

上記の課題に対して、DeepEyeVisionでは、AIを活用した2つのアプローチで解決しようとしています。

 

 

一つ目は、眼科専門医の診断を支援するAI医療機器を作ることで、診療時間を短くし、少しでも眼科の混雑を減らすこと。

 

同社が開発し、医療機器認証を取得した「DeepEyeVision for RetinaStation」(※1)は、眼底画像を解析し、健常眼データベースから逸脱した部分をヒートマップで表示する機能を持っています。

その他、自治医科大学と共同で研究開発している「眼科画像診断支援システム」では、眼底画像から予測した疾患名を、眼科医に対して参考情報として提示する機能を持っています。(※2)

 

 

二つ目は、へき地で高齢者の診療にあたっている内科医などに対して、高速インターネット環境とAIを使って遠隔読影と呼ばれる仕組みを提供し、日本全国どこでも高水準の眼科の診療につなげること。

 

具体的には、地域医療に携わる自治医科大学OBの内科医や、眼科専門医のいない健診施設の医師が、眼底カメラで撮影した眼底画像を、セキュリティが担保されたインターネットVPN(仮想施設網)経由で同社の医師に送信した後、同社の医師が前述のAI医療機器やシステムを用いて迅速に診断結果を返却することで、疾患の発見に至った患者さんの早期治療につなげています(※3)

 

 

 

(※1)医療機器認証番号:303ADBZX00110000(販売名:「眼底カメラ・眼撮影装置用プログラム DeepEyeVision for RetinaStation」)

 

(※2)本システムは自治医科大学等との共同研究開発を目的に作成されたものであり、薬機法に基づく医療機器プログラムとしての製品化を企図したものではありません。また、本システムと、同社によって認証を取得した医療機器プログラムとは、システムアーキテクチャ、学習データ、アルゴリズム等も含めて、別個のものとなります。

 

(※3)遠隔読影事業者の株式会社エスフィル、シーメンスヘルスケア株式会社「teamplay digital health platform」を通じて提供しています。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか?

 

DeepEyeVisionは急速な高齢化の進展、全国的な眼科医の不足といった社会課題を解決すべく、AI医療機器を活用した事業を展開していますが、そのために必要なのは、様々なバックグラウンドを持つ多様な人材です。

 

同社では臨床の最前線に立つ眼科医と、最先端のAIテクノロジーに造詣が深いエンジニア、そして、医療機器プログラムの承認・認証申請を円滑に進める薬事担当者など、多くのメンバーがそれぞれの知識と経験を持ち寄り、一丸となって事業を進めています。

 

AI技術や医療技術の進歩が早い一方、法制度の整備が追いついていない現状など、事業を推進していく上で超えるべきハードルは多々ありますが、『AIで目からはじまる健康を支援する』使命を果たすべく、日々、取り組んでいます。

 

 

次回の記事では、「急激な医療革新の実現」をミッションに、AI医療機器および遠隔医療の社会実装を目指している「AMI株式会社」の取り組みをご紹介します。

 

 

DeepEyeVision Webサイト

 https://deepeyevision.com

 

※こちらの記事は『AI医療機器協議会』協賛の記事です。

 もっとAI医療機器協議会について知りたい!という方はこちらをご覧ください。

 https://aimd.jp/

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