【就活生×医療機器 クロストーク】
Vol.4 レポート ②

【就活生×医療機器 クロストーク】<br>Vol.4 レポート ②

医療機器業界に興味をもつ学生さんが気軽に質問でき、知識を深められる場として、医機なびが2020年10月某日に開催した初のオンラインによる座談会。

 

前回に引き続きその様子をレポートします!

 

2記事目となる今回は、質疑応答でのやりとりをご紹介します。

 

採用プラットフォーム「知るカフェ」と「医機なび」のコラボレーション企画!参加した5名の学生さんからの積極的な質問に対して、“医療機器業界の先輩”であるパラマウントベッドグループのお二方が丁寧に答え、座談会は大いに盛り上がりました!

 

 

【参加していただいた企業の社員】

 

 

村山 賢一郎(むらやま けんいちろう)さん

会社:パラマウントベッドグループ

所属部署:採用チーム 課長

 

 

本山 乃愛(もとやま のあ)さん

会社:パラマウントベッドグループ

所属部署:採用チーム

 

 

相宮 直紀(あいみや なおき) (進行役)

会社:公益財団法人医療機器センター

 

※所属、肩書は取材時

教えて先輩!医療機器業界Q&A

ここからは学生さんの質問タイム!いろいろな質問にお答えいただきました。

――皆さんが医療機器業界に入ろうと思った理由を教えてください

本山さん「私は就活のとき、業界で絞るのではなく幅広くみて検討していましたが、そのなかで医療機器業界に決めた理由は2つあります。1つ目は、チャレンジしていける環境があるということ。個人に与えられる裁量権が大きく、自分で考えて行動できる業界だと感じました。もう1つは、社会貢献度の高い仕事であるということ。学生時代は部活のマネージャーをしていて、誰かをサポートすることに喜びを感じていました。医療機器業界も、人のために働き、人から感謝される仕事であることに魅力を感じました」

 

相宮「私もやはり『人の役に立つ仕事である』ということが医療機器業界を選ぶきっかけになりました。医療機器メーカーにエンジニアとして入社しましたが、自分が携わったものが誰かの健康、命を支えるというのは、何物にも代え難いやりがいだと思います」

 

村山さん「私は就活のとき、総合商社とメガバンク、そしてパラマウントベッドグループの3社から内定をもらい、悩んだ末、当社を選びました。最終的な判断をするとき『せっかく入るなら影響力の大きい会社に入りたい』と漠然とイメージするなか、改めて『自分は誰に対してどんな影響を与えたいのか』を突き詰めて考えたんです。最初は『売上規模の大きさが影響力の大きさ』と簡単に考えていましたが、おじいちゃんやおばあちゃんの健康を支えられたり、介護をする人や医師の手助けになったりすることもまた、人間の生活の質に大きな影響をもたらす仕事ですよね。もしかすると、自分の親が、将来介護が必要になったとき、医療機器業界で働くことでその製品でこれまでの恩返しができるのではないか…そんな思いで医療機器業界を選びました。医療機器業界は、それが誰の役に立っているということが明確だからこそ、やりがいを感じやすい業界と言えるかもしれません」

 

――医療機器業界ではMR以外にも営業のような仕事はあるのでしょうか?

村山さん「はい、企業によっていろいろな営業活動があります。パラマウントベッドグループの場合、病院や介護施設、介護ショップに経営課題も含んだ様々なニーズをお聞きしたうえで、どういった設備が必要なのかを考え、他社製品やサービスも含めて総合的にご提案することが多いです。コンサル的な要素が強いため、営業担当は医療業界全体に関する幅広い知識が必要になります。」

 

――現在大学で福祉学を学んでいますが、福祉の業界では「地域の住み慣れた場所で長く暮らせるようにする」という流れがあるようです。そうしたなかで、医療機器業界も変化していることはありますか?

村山さん「おっしゃる通り、介護福祉や医療の現場において『地域医療連携』『地域包括ケア』といった言葉が注目されています。これは『1人の患者さんに対して、医療機関や介護施設、ヘルパーが連携してケア体制を整える』という考え方。その一環として、パラマウントベッドグループでは、例えばベッドに寝ている人の心拍数や呼吸数、眠りの状態などのバイタルデータをリアルタイムで関係者に情報提供できるような仕組みを他の企業とも連携して開発しています。組織や企業間の垣根を超えて、手助けを必要とする人を大きな力で支えることが、これからの日本で必要になっていきます」

 

――介護や医療を受ける人のバイタルデータを関係者に共有するというお話について、法律的な難しさもあるのでしょうか?

村山さん「確かにクリアしなければならない法律の壁もあります。そのなかで医療機器業界としては情報共有による有用性を国に働きかけていく必要があります。医療機器産業は国からの期待が大きい産業である一方、課題も多い業界。しかし、諦めることなく新しい技術やアイデアを持ち寄ることで、より良い医療を提供していくことが可能です。他社さんも含め、この医療機器産業では『業界を変えたい』とパイオニア意識をもって取り込む姿勢が強いと思います」

 

――国内市場とグローバル市場の成長について、日本国内では輸入超過が続いていると聞いたことがあります。特に日本のメーカーは診断機器が強くて、海外のメーカーは治療機器が強いという記事が印象的でした。なぜ日本のメーカーは海外に対抗できないのでしょうか?

相宮「おっしゃる通り、国によって得意な分野はあると思います。日本の医療はもともと非常に丁寧に検査や診断をして、それから必要な治療方針を考えて処置や手術をしていきますが、日本ほどCTやMRIの設置台数が多くない海外の地域ではなかなかそのようにはならないのです。日本ではまずは精密な検査や診断が求められることから診断機器に日本の大手メーカーの強みが出てくるのだと思います。一方で、海外ではベンチャー企業が治療のための革新的なアイデアを生み出し、それを大手が製品化するといった流れが一般化しています。また診断機器と治療機器のマーケットサイズがそもそも違っているので結果的に輸入超過になってしまうと考えられます。これからは日本発の治療機器を開発していくことが求められますので、チャレンジ精神が重要になります」

 

 

――国や自治体と一緒に医療機器を作ることもあるのですか?

相宮「はい、成長産業として期待されているので、最近は国や自治体がリードして地元医療機関や地元企業を巻き込んで医療機器の開発が行われています。医療現場のリアルな視点が入ることで、より実用性の高い医療機器がどんどん誕生していくことが期待されています」

 

――実際に働いてみて医療機器業界のイメージが変わったところや、逆に変わらないところはありますか?

本山さん「就活中、『現場では直接感謝の言葉を聞ける機会がある』と聞いていましたが、短い研修の中でそれを実感できることがありました。自分が関わった製品により、目の前で誰かの生活の質が向上していると感じられたことはとても嬉しく、社会貢献度の高い仕事というイメージ通りの業界だと感じました。そして、この業界で働いていくことに対してより大きな希望を抱きました」

 

相宮「私は医療機器業界で実際に働くまで、基本的には『今ある製品を作って売る仕事』、つまりあまり変化のない業界なのかなと思っていました。しかし、実際は真逆で、AIやIoTといった最新の技術を取り入れてより良いものを作っていく、非常に先進的な業界でした。

イメージ通りだったこととしては、社会に貢献していることを実感できるということです。私の父親が重篤な病気を患ったとき、自分が勤めていた会社の医療機器によって命が助かるという機会がありました。医療機器産業は、人の命を繋ぐ、私たちにとって必要不可欠なもの。やりがいはとても大きい仕事です」

 

村山さん「私がイメージと違うと感じたことは、『まだまだ未完成な業界である』という点です。特に、日本で世界の中で最も高齢化が進む国。その課題に向き合うことは前例がなく、困難なことも数多くあります。そういった日本の環境で培ったソリューションは、今後海外でも役立つことでしょう。我々が取り組んだことがいずれ世界のスタンダードになる可能性もある…そんな使命感を胸に、日々仕事をしています」

 

座談会終了後、学生さんの感想

活発に質問が飛び交い、大いに盛り上がるなか、1時間の座談会は終了。学生とは思えない専門的な質問に、医療機器業界の先輩が唸る場面もありました。

 

ここからは座談会終了後に学生のみなさんから寄せられた感想をご紹介します。

 

「すごく有意義な時間でした。医療機器のことを何も知らなかったですが、すごく魅力的な業界だなと思いました。」

 

「今回は医療機器業界について、そのあり方が今後どのように変化していくのか、自分はどのような福祉の業界の形を作りたいのか、ということについて考えを深めるありがたい機会となりました。ありがとうございました。」

 

「これまで見てきた業界の中で最も興味深く私の求めていた業界かもしれないと感じることができました。これから迎える就職活動に医療機器産業を見ていきたいと思います!今回はありがとうございました!」

 

「本日は貴重なお話をありがとうございました。先端の分野を知ることができ、大変興味深かったです。」

 

「学生の質問にも分かりやすい言葉で説明していただいたので、医療機器業界に知識がない私でも理解しやすかったです。本日は貴重なお話をありがとうございました。」

 

今回ご参加いただいた学生の皆さん。そして、パラマウントベッドグループの村山さん、本山さん。ありがとうございました!

 

それではまた、次回の開催にご期待ください!

 

 

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