【就活生×医療機器 クロストーク】
Vol.4 レポート ①

【就活生×医療機器 クロストーク】<br>Vol.4 レポート ①

新型コロナウイルスが社会に大きな影響をもたらすなか、改めて注目されているのが、人々の健康を支えるうえで欠かせない「医療機器産業」です。

医機なびは、2020年10月某日、医療機器業界に興味をもつ学生さんが気軽に質問でき、知識を深められる場として、初のオンラインによる座談会を開催。

全国の大学のすぐ近くに19店舗を展開する採用プラットフォーム知るカフェとコラボレーションをして、5名の学生さんに参加いただきました。

 

 

今回、学生さんの質問に答える“医療機器業界の先輩”としてお迎えしたのは、医療用ベッド、介護用ベッドの最大手として国内シェア7割を誇るパラマウントベッドグループのお二方。

座談会の様子を2記事に分けてレポートします!

 

1記事目は、「そもそも医療機器って何?医療機器産業とは?」といった前段となるお話です。

 

【参加していただいた企業の社員】

 

 

村山 賢一郎(むらやま けんいちろう)さん

会社:パラマウントベッドグループ

所属部署:採用チーム 課長

 

 

本山 乃愛(もとやま のあ)さん

会社:パラマウントベッドグループ

所属部署:採用チーム

 

 

相宮 直紀(あいみや なおき) (進行役)

会社:公益財団法人医療機器センター

 

※所属、肩書は取材時

医療機器ってなに?

まず初めに、「医療機器ってそもそもどんな物なのか」について進行役から説明後、実際にパラマウントベッドではどういう製品を取り扱っているのか、ということについて語られました。

 

相宮「医療機器とは、身体の検査や手術などで必ず使用されるとても大切な道具です。最近では新型コロナウイルスの影響で人工呼吸器が注目されていますが、これも医療機器のひとつ。家電と思われがちな体温計も医療機器に分類されます。また、胃や腸の中の様子をカメラで見る内視鏡や、未熟児などを保護して育てる保育器など、なんと4,000種類以上の医療機器が存在し、目的や用途に応じて使われることで私たちの健康を支えています。なお、それらの医療機器を作っている医療機器メーカーが2,500以上あり、たくさんの企業が医療機器を取り扱っています」

 

村山さん「一言で医療機器といっても、会社によって作っているものは違うということですね。例えば手術に使う機械を作るのが得意な会社もあれば、検査に使う機械を作るのが得意な会社もある。ちなみに我々パラマウントベッドグループは治療後の療養などで、日常動作をサポートする機具を主に作っています。もし医療業界で働くことに興味をお持ちでしたら、自分がどんな分野に興味があるのかを深掘りしていくといいと思います」

 

医療機器業界ってどうなの?

続いて、「医療機器業界とはどんなところなのか」についてのお話に移っていきます。

 

相宮「次に医療機器業界についてお話します。医療機器業界の国内市場は成長を続け、1984年には0.9兆円規模だった市場は2018年には3兆円を超えました。右肩上がりで成長している業界は他にもありますが、やはり多くの業界は景気の影響を受けてしまうものです。医療機器業界はそういった影響を受けにくく、安定的に成長してきたことが特徴といえるでしょう。また、健康志向の高まりや高齢化社会により、今後さらに成長することが予想されています」

 

本山さん「相宮さんがおっしゃられた通り、日本ではこれからさらに高齢化が進み、2060年には1人の高齢人口に対して1.3人の現役世代という時代に突入していきます。そんな中、高齢者を支える側はいかに介護の労力を軽減するかが大切です。そして、支えられる側の高齢者は自立の促進と、健康寿命の延伸が重要になります。こうした課題を解決するために、医療機器産業のさらなる価値が求められていくことでしょう」

 

 

相宮「日本のみならず、世界に目を向けてみても、医療機器産業は成長を続けており、グローバル市場は2015年には40.8兆円だった市場が2019年には約50兆円と過去最高を記録。2030年には87兆円を超えると予想されています」

 

村山さん「当社は国内において約7割の病院や介護施設で自社製品をご利用いただき、販売台数も業界No.1となっていますが、海外での売り上げは日本の売り上げのわずか10%。東南アジアや南米では今まさに病院を増やしている段階ですので、これから海外進出を強化し、医療インフラの強化を進めていく必要があります。そのため、グローバルで活躍できる人材が求められています。「グローバルで活躍できる」という言葉から、商社を連想する人は多いと思いますが、医療機器業界も国際的に対応できる人材が必要とされる業界なのです」

 

私でも医療機器業界で活躍できるの?

医療機器業界は医療に関する専門知識を勉強した人しか入れないのでは?というイメージを持っている方もいると思います。その内容について語られました。

 

相宮「以前何人かの学生さんにお話を聞いたところ、医療機器業界で働くことに対して『自分は医学に知識がないから入るのが難しそう』『大学で医療と関係のない分野の勉強をしているから自信がない』『入社できたとしてもうまくやっていけるか心配』こんな声が聞かれました。しかし、私がお伝えしたいのは、「心配しなくても大丈夫」ということです。

 

私も以前、新卒で医療機器メーカーに入社しましたが、大学は工学部出身で医療に関する知識はゼロでした。しかし、エンジニアとして大学で学んだ知識を活かし、しっかりと活躍することができました。

皆さんも、今学んでいることをしっかりと身につけて頂ければ、医療機器業界で活躍ができると思っています。例えば、医療機器産業の「開発」において活躍するのは、さまざまな技術を学んだ工学部、理工学部、化学部、生物学部、情報学部などの学生さん。医療機器は法律により管理されており、製品開発における管理、薬事戦略立案などをする際に活躍するのは、薬学部、法学部、政策学部などの学生さん。会社経営や企画提案、広報活動で活躍するのは経営学部、経済学部、社会学部などの学生さん。海外進出などの際に活躍するのは外国語学部、文学部などの学生さんと、医療機器業界ではさまざまな人材が求められているのです。

スタート地点はみな同じ。必要な知識は入社してから、研修やセミナー、OJTなどで学ぶことができるので安心してください」

 

村山さん「医療機器業界というと、なんとなく理系が活躍するイメージがありますが、私も本山も文系出身。文系でも活躍できるフィールドは豊富にあります。また、『どの学部の出身か』ということよりも、『人の役に立ちたい』といった想いや情熱が大切になる業界です。社会貢献に対して意識のある方は、ぜひそのマインドを胸に、医療機器業界に入って頂き、活躍してほしいです」

 

 

医療機器や医療機器業界について、概要や現状、今後が語られた座談会の序盤。

 

レポート②では、学生さんからの質問と、医療機器業界の先輩からの回答についてお伝えします。

 

お楽しみに!

 

 

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